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のれんに関連した知識 のれんの使い道

のれん製造業者の間で新しい活用法が模索されている

日本伝統の宣伝方法として、現在でも用いられているのが店先や周辺に許可を取って飾るのれんです。のれんは戦国時代において戦国武将の功績をとった証明として使われてきましたが、戦国時代が終わり平和な時代が訪れると現在のようにお店の宣伝目的に加えて軒先に飾ることで店内の客が安心して買い物ができる環境づくりに役立ったのです。

しかしそんな日本伝統工芸の一つのれんですが、時代が進むにつれて他の伝統工芸と同様に需要が少しずつ減っています。これまでのお店に飾る理由として、目隠しを作ることによって店内に入った顧客に対して安心して買い物をしてもらうためだったのです。

店舗にのれんを利用する

ただ時代が進むにつれて趣向が変わってしまい、若い世代は開放的な空間を望むようになるため目隠しは逆効果になっています。

さらに宣伝目的として飾る方法も現在では外出先でも使える無線通信ができるようになり、ネット通信を使った道案内ソフトが手軽に使えるようになっているのでお店の位置を知らせる必要もなくなっているのです。

これらの点からのれんの需要が減っており、このまま手を打たないと伝統文化が廃れる可能性があります。そこで製造業者は未来に事業を継承するために、のれんの新しい可能性を模索しているのです。

新しい活用法の一つが医療現場

のれん製造業者が考えた新しい可能性が、専門職の一つ医療現場でパーテーションで使ってもらうということです。パーテーションというのはリフォーム業界で使われている言葉であり、その意味というのは英語で間仕切りやついたてとなります。

のれんの内部を見えなくするという部分に着目をして、医療用現場専用に改良したのれんを普及することを考案したのです。

どのように使われているのかというと、まずのれんで使われる素材は綿素材になります。この綿素材の良さというのは、細い糸になるため何層にも折りたためることです。

何層にも折りたためることで目が細かくなることから、光を通しづらく透けない性質があります。その透けないという性質を利用して、入院部屋や治療部屋の仕切りに使うのです。

のれんを仕切りに使う

入院患者がいる部屋は寝泊まりをするのですが、当然ながら患者がテレビを見ているときや夜間での治療の際に明かりをつけることになるので就寝の邪魔になります。

そこで入院患者の仕切りに使うことで、光を通さないのでプライバシーが守れるだけでなく、光の影響を受けずに過ごすことができるのです。

そして病棟の中には、侵入をしてほしくないポイントがあります。そこで入ってほしくないポイントに飾ることで、誤って侵入する可能性を防ぐことができるのです。